「川上享都、GIL作品集」ご紹介に際して

紹介者は "sam113 (さもなー)"さん です。






GILさんは、僕にとっては
創作全般の師のような存在です。


よく、力不足の自分を引っ張る形で
創作活動をリードしていただいたことを、
今でもよく覚えています。


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GILさんと共に作品を作る中で、
「ゲーム音楽」というものについて、
僕は真剣に考えました。


ゲームファンであれば、誰しも
「ゲーム音楽」に感動した経験があることでしょう。


「ゲーム音楽」について思い出すとき、僕らは多くの場合、
その音楽が使われたゲームの「場面」や「シチュエーション」、
遊んだときの「興奮」――などと、
セットで思い出すのではないでしょうか。


つまり多くの場合、ゲーム音楽は「ゲームの一部」として
僕らの心の中にある、ということです。


その場合のゲーム音楽の立場は、
いわば「ゲームの名脇役」ということになります。


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しかしそれとは別に、ゲーム音楽にもう一つの側面
――「ゲームの一部」ではない、純粋な音楽作品としての側面――
が存在することは、あまり知られていません。


それを知るためには、
ゲーム音楽を一旦ゲームから切り離し、
音楽だけを、単独で聴きなおしてみる必要があります。


ゲームから離れ、改めて純粋な、ただの音楽として
ゲーム音楽に向き合うことで、
初めて、作曲者が曲に込めたメッセージが
伝わってくることがあるのです。


そのメッセージは、
必ずしも、ゲームそのものが伝えるメッセージと、
同じであるとは限りません。



いわばそれは、ゲーム音楽の、「主役」としての姿です。



きっと、ゲーム音楽を作る方の多くは、
ゲームの展開に合わせて曲を作る、という制約の中で、
それでも音楽家としての主張、表現、魂を、
どこかに込めようと、苦心しているのだと思います。


しかし多くの場合、
ゲーム音楽のそのような側面は、
なかなか省みられることがありません。


そしてそれは、とても勿体無いことだと、僕は思います。


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僕が今回、GILさんの作品集をご紹介するのは、
かつて「ゴキブリハンター」「天使の絵本 -THE FABLES ALTER-」
を遊んでいただいた方に(あるいはそうでない方にも)、
GILさんの音楽の、音楽作品としての側面を、
お伝えしたかったからです。


本来、GILさんはゲーム音楽ばかりを作る方ではなく、
表現活動全般に幅広く携わって来られた方です。
ゲームを通して見ることが出来るのは、
GILさんの世界の、ほんの一面でしかありません。


一人でも多くの方に、GILさんの世界に触れていただくことは、
GILさんを師と仰ぎ、
またGILさんの音楽の一介のファンである自分の、
何よりの望みでもあります。


GILさんの作品が、多くの方の心に届くよう願います。


2007.8.13 sam113




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